アジアの踊りその6

Turkey

トルコの民族舞踊

村上佳也

 

踊りの民族衣装を着たテキルターの小学生女の子たち

 

キュタヒア地方の男性の衣装グループといっしょに。後列右から二人目が筆者

 

トカット県ネビ村の民族衣装を着た人々

 

 

 

 トルコほど民族舞踊がたくさんある国は、アジア全土さがしても他にはないかもしれません。
 トルコはアジアのもっとも西のはずれにあり、ヨーロッパの文化と、アジアの文化の合流点として、古くから栄えた国です。面積は日本の約三・五倍七八万五八〇平方kmの広大な国土に六一〇〇万人と日本の約半数の人々が暮らします。 言語はトルコ語、宗教はイスラム教を主とした国です。
 私がトルコへ初めて訪れたのは一九九四年の夏のことですが、このとき、トルコの民族舞踊を肌で触れ、今も人々の中に息づいている踊りに感動を覚えました。
 これをきっかけに、トルコの民族舞踊に興味をもち、一九九六年より、一年三カ月余りにわたり、トルコでの民族舞踊の調査研究を行ないました。以後も、日本でトルコを中心とした踊りを伝える一方、毎年トルコを訪れ、研究を続けています。
 トルコの踊りは数千にものぼります。踊りの種類はタイプ別に大きくわけて、七〜一〇種類ぐらいに分けられます。その種類は、ホラ&カルシュラマ、ホロン、カシュク、テケ、バル、ハライ、ゼイベックなど他、さらに数種あげられます。
 ホラ&カルシュラマは、ヨーロッパトルコと呼ばれるボスポラス海峡より西側の地域に多く踊られているタイプです。
 ホロンは、黒海沿岸の地域に多く見られ、大変に激しいステップを踏む踊りが多く見られます。
 カシュクは、トルコ人独特の踊りで、木製スプーンを両手に持ち、それを打ち鳴らしながら踊るものです。
 テケ、ゼイベックはソロダンス的な踊りで、リズムは9拍子のものが多いのが特徴です。
 バルはトルコ中央部のシバス地方から東のはずれのアール地方にかけて多く踊られているタイプのもので、アルメニア人の影響を多く受けた踊りです。
 ハライはトルコ中央部で踊られているものと、東トルコ全域で踊られているクルド人の影響をうけた踊りがあります。
 トルコの踊りは種類、数ともに大変に多いので、地方や踊りのタイプで分けて踊りを捕らえると理解しやすくなります。
 また、トルコは踊りとともに、民族衣装もたくさんあり、各地方独特の衣装が見られ色彩豊かな美しいものがあります。有名な観光地も大変に多く、たくさんの観光客が訪れるトルコですが、こういった民族色豊かな国なのです。トルコはアジアの中で屈指の民族舞踊の宝庫といえる、素晴らしい国といえます。(村上佳也/民族舞踊研究家)

 

 

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