アジアの踊り

 

カンボジア・プノンペンの王立宮廷舞踊団の稽古風景。鍛えられた指使いや手のしなりに華が咲き宿る。明日は王宮広場で植樹祭のための踊りを踊るという

 

東北タイの収穫祭での娘たちの踊り。あでやかな衣装に包まれて稲の収穫を喜ぶ踊りは、実りの充実感に包まれている。
写真/松本十徳

宮廷舞踊を指導するアイムさん。ときに厳しい言葉が飛ぶ

 

アジアの踊り

喜怒哀楽や美しい形を身体とその動きで表現する欲求は、人間の根源的な衝動に根差したものだ。アジアには、その多様な文化の形以上に様々な踊りがある。格式高い宮廷舞踊から、庶民のくだけた盆踊り風の大衆踊りまで、実に多様な踊りがある。すでに高度な機能社会の中で身体を動かして楽しみ表現する方法を忘れつつある日本から見ると、弾力に富んだ豊かな生命力を感じさせる。ここにとり上げた踊りだけではなく、さらに無数の踊りがあり、各地の生活の忍耐と享楽の数だけ、舞踊があると言っていいだろう。
 多様なアジアの踊りに触れて、恵まれた身体の華の数々を見ていこう。

 

 

タイの仮面劇コーンの踊り。宮廷に伝わる高貴な舞踊で、ラーマ・キエン物語に沿っている。左は猿のハヌマン

カンボジア宮廷舞踊を教えるアイム・ティエイさん(67歳)は、王室古典舞踊の第一人者と言われる。シハヌーク国王の王母から直接宮廷舞踊を伝授され、シハヌーク国王の王妃にも、王女たちにも舞踊を教えたそうだ。ポル・ポトの困難な時代を生き延び、宮廷舞踊の伝統を絶やさないよう、現在も指導に情熱を燃やす。王立舞踊学校の先生たちもほとんどアイムさんの教え子。今は孫弟子たちの時代だが、手をとり、足をとって教えるアイムさんの目には、厳しいなかにカンボジア舞踊への限りない愛情がある。

 

 

バリ島の踊り。奉納舞を踊る少女たち
写真/川端岳郎

 

 

アジアの踊り
その2カンボジア

その3インド
その4バリ
その5タイ
その6トルコ
その7イスラエル

 

トップページへ戻る