アジアの街角からG インドネシア・ロンボク島(ギリ・アイル) 第二弾 



さやいんげんのぴり辛サラダ

このレストランは、宿から一番近くにあったので度々行った。

ビーチ沿いで商売をやっている人はたいていよそから来た人でしたが、この店のオー
ナーらしき人も、どこの国かは知らないけど白人の太ったおばちゃん。

どの店もたいがい洋食とミーゴレンなどのメジャーなインドネシア料理がメニューだが、
タイ人を雇っているのか、この店にはタイ料理メニューもある。

個人的にはジャカルタ、バリ、ジョグジャカルタのほうがインドネシア料理はおいし
かったけど、ギリはなんといっても素材の野菜がめちゃめちゃおいしい。

このサラダはローカルメニューの中でも、ギリの料理と書いてあったので注文してみ
た。

しばらくすると、オーナーの白人のおばちゃんが出てきて、
辛くしてだいじょうぶ?ほどほどピリ辛にしとこうか?と訊いてきました。

「それともこれぐらい辛くする?」と激辛のものを食べてしまったときにするよう
に、口をすぼめてスー、スーっと息を吸ってみせてくれたので、それほど辛くない方
がいいんでほどほどピリ辛にしといて、とお願いしといたけど、やっぱりけっこう辛
かった。

ちょっと生っぽいさやいんげんのシャキシャキ感が最高。
ここで採れたさやいんげんでなければおいしくできないメニューなのかもしれない。



海辺の老人

ひとりでさやいんげんを食べていたら、老人がやってきて、こんにちわと挨拶して
いった。

お孫さんですか?と尋ねたら、甥っ子だとウェイターの若い男の子が代わりに答えて
くれた。

何度も何度も子供の名前を叫んでいたが、子供たちは全く頓着せず。老人は呆けたよ
うに、ぼーっとしばらくそこに腰かけていた。

しまいに水際まで降りて行って小言を言うが、「わかってるよー!!!」と反抗され
るだけで効果なし。



村はずれの粗末な家

周囲5キロの小さな島でも、集落には普通の民家や商店が並んでいて、学校もモスク
もある。

村人はギリの秩序の下で堅実に暮らしているのである。

しかし村はずれにぽつんと離れて一段と粗末なあばら家に家族が住んでいるのを見る
と、こんな世界の果ての原始の共同体のように見えるような集落にさえも馴染めない
でいる、そういう種類の人々というのはいるもんだなと思った。


写真・文:Kumiko Miyano



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