竹岡弘恵

カンボジア

遺跡に隠れる子供   日本人の私たちは観光地として……子供たちは遊び場として……

 

安らぎ  夕陽がきれいに見える丘を登り上げて……疲れを癒し、安らぎを与えてくれる音色でした

 

働く男たち   額に汗を浮かべて氷を切るホテルのボーイさん

 

アジアウェーブ賞
受賞の言葉
                        竹岡弘恵

 私がカンボジアを訪れたのは、年に一度の水祭りのある十一月でした。実際にカンボジアに行って感じたことは、言葉ではうまく言い表せないのですが、すばらしい遺跡と、目をそむけてしまうような重い現実でした。目の前にショックなことが多くあり、私の中では写真を撮るなんてとんでもないという場面がよくありました。しかし、重くてつらい過去があるからでしょうか、私が現地で出会った人たちは強くて、やさしくて、人間らしく生活している人たちでした。そんな出会いの中で温かい気持ちになったり心を引きつけられたことを写真に撮って行動していました。技術的にはまだまだな写真ですが、カンボジアで色々なことを感じて思い思いに撮って選んだ写真なので、今回アジアウェーブ賞に選んでいただけたことを大変うれしく思います。ありがとうございました。今後もさらに写真を学んで自分の感じることを表現し続けたいと思います。



プロフィール

1972年生まれ
1993年 上田安子服飾専門学校ファッションビジネス学科ディスプレイコース卒業
1993年 企画会社に入社。デパートやSHOPのディスプレイの企画、デコレーションを手掛ける。他に別事業部の絵付けサロン・カフェを担当。休みを利用してアジアに出かけ始め、アジアのとりこになる。
1997年 退職後ネパールでの写真をきっかけに写真を学び始める。現在、日々の生活などを写真に記録中。

 

 



 第五回アジアウェーブ写真コンテストには、全国・海外から七二人、二五九点のご応募をいただきました。厚く御礼申し上げます。
 集まった写真には、アジア各地での人々の生きた暮らしや生き生きした素顔が鮮やかに、豊かに写され、活気溢れるアジアの新鮮な息吹が感じられました。それぞれに思いのこめられた力作が寄せられました。
 楠山忠之、吉田敏浩、染谷學、各選考委員による厳正な選考の結果、アジアウェーブ賞、白象賞、青龍賞、優秀賞が以下のように決定いたしましたので、各作品とともに発表させていただきます。
 またこれらの作品および参加作品は、アジアウェーブ・インターネット・ホームページに掲載させていただく予定です(オン・ラインは九月五日です)。ぜひご覧ください。
 なお、第六回アジアウェーブ写真コンテストは、今年と同じ要領で行なう予定です。今年少なかったドキュメンタリー部門や、東アジアや西アジアの国々の作品など、お待ちしております。どうぞふるってご応募してください。

 

 

アジアウェーブ賞
竹岡弘恵

白象賞
福井延幸
佐藤博子

青龍賞
篠原ひとみ
優秀賞
スギノユキコ
中村美和子
北川恵子
児玉素可
船野公子
萬治邦行
富田幸雄

特別賞
滝沢和平

奨励賞
木下節子
溝口弘子
渡辺哲夫
柳さおり
中島梨江子
鈴木佐和子
尾崎知史

 

福井延行

アルバイト  自分の家のタクシーだろうか、暑い中、よく働いていた               フィリピン

 

白象賞
受賞の言葉
                   福井延幸

 今回の写真は三月の末に生徒三人とCACEPPI(カセッピ)という団体のいわゆるNGO活動に参加してきたときのものです。ルソン島北部の電気のない村、アバタン村で現地の人と交流しながら、川の水を利用した小規模な水力発電をフィリピンの現地NGOと協力して設置しようというものです。
 アバタン村まではマニラからバスとジプニーを乗り継ぎ、そして山道を歩いてほぼ一日でたどり着くという長い道のりです。村での作業は主に水路の整備。村の子どもたちと水路に入って草を取っていきます。夜は村の人たちとの交流。鳥の姿を真似た現地の踊りを打ち鳴らす打楽器に合わせて皆で踊りました。私たちの活動はアバタン村の人たちに確実に受け入れられていると肌で感じられました。この夏、私はまたアバタン村に行って今度は植林に参加してきます。



プロフィール

1971年8月4日生まれ
東京都荒川区出身・在住
目白学園高等学校教諭(主に日本史担当)
   

 

佐藤博子

麦積山好日  日曜日、駅前の呼び込みに誘われてマイクロバスに乗り合わせた旅行者。山道の登            りに疲れて一休み                           中国・甘粛省天水

 

白象賞
受賞の言葉
                 佐藤博子

 旅先の夏の一瞬の写真に賞をいただき、とても嬉しく思います。会社員の短い夏休み、西安から夜行列車で少しだけ足をのばした甘粛省天水。駅前の小公共汽車(マイクロバス)ツアーの激烈な観光客争奪戦にはまり(乗っているバスから他社のガイドが客を引きずり降ろし別のバスに座らせ、ガイドどうし大声で喧嘩!)、麦積山(ムージーシャン)の石窟に行きました。ツアーバスなのに立ち客の乗降でしょっちゅう止まり、商売人のガイドは「麦積山!」と叫んで諦めずに客を呼び続けます。
 休日デートのカップルや非番の公安(警察)たちと乗り合わせた客は、それぞれのペースで石窟への山道を歩き、暑さにバテて誰からともなく一休み。そんな瞬間の一枚です。
 汽車の中も、唐の名所旧跡も、駅も街も路線バスの中も、人々の好奇心と親切でいっぱいだった短い旅。その極めて個人的な記録に賞をいただけるとは……。今後も普通の人々を、気負わず自然に撮っていきたいと思います。



プロフィール

東京上野生まれ。会社員。父の形見のカメラOM-1で始め、初めてのボーナスでOM-2Nを買う。シンガポール駐在だった1993年、カメラなしでラダックへ行こうとしたが、突然欲しくなり空港内でEOS100を衝動買いする。
「カメラ歴」25年。「撮影歴」延べ5年。
シンガポールから韓国・台湾・タイ・インドネシア・フィリピン・ベトナムなど仕事で時々行ったが、今思うとカメラを持って出張すればよかったと後悔。道具から入って長続きしない傾向をじっくり克服したいと思っている。
   

 

★青龍賞と選考座談会は次のページです。

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