オドロキ人物列伝・・・・・・・・・・・・・・・・・・佐々木心二




*第壱話 アル中空手家

 ある所にアル中の空手家W氏がいた。
 非常に強くて敵う者もおらず、無敵の武人と思われていた。
 まさに劇画調のキャラだった。
 しかし、新春早々パチンコ店に繰り出し、某有名マンガのパチスロで大当たりしたり、通称ハシゴラーメンと称してラーメン屋を2軒も3軒もたて続けに回るという奇行・蛮行を繰り返していた。
 ある時、食堂でケンカになり下突き一撃でKOするも帰り道で車の事故を起こし「赤鬼」みたいな老人にシカラレル始末。
 そんなこんなでカオスな日常を送っていたW氏であったが、ひょんなことから警官と世間話をするのが趣味となった。
 世間話をするためにフレックス・タイム制の社員のように警察署に繰り出し「世間話」、「武勇伝」に話を咲かせた。
 警官曰く「そんなん訴えられないから。名誉毀損っていうのは数多くの人間に繰り返し繰り返し言ってやっと立件だから、そんな一回、二回バカだのアホだの言っても犯罪でも何でもないから」とか「今の時代、刑務所は凶悪犯でいっぱいだから詐欺とか窃盗とかそんな軽犯では入れられない」といった内輪話を聞き、かの釈尊のように「悟達の境地ニルヴァーナ」へ近付いているとまざまざと感じていた。
 そうして今や彼もすっかり丸くなり、ネット将棋に夢中になってみたり、車屋に勤めています。

*第弐話 狂信者Y

 Y氏は信心深い男である。はっきり言って狂信者である。
 某宗教団体に所属し、日夜階級を上げるため人々にイヤガラレながらも布教活動をする毎日である。
 神社詣でにも熱心でまさに狂信者である。

 ある夏、クーラーが故障したがそれも神の試練と割り切って40℃の気温の中を平然と暮していたという。

 そんな彼の密談の場は某牛丼チェーン店である。周囲のヲタク系青年を誘っては「弥栄(いやさか)」とやっているらしい。
 そんな事ばかりしているので近所の人から気味悪がられて警察にも目を付けられているが、「どこ吹く風」。「俗人に聖者の事は分からぬ」とか思っているらしい。
 しかし、趣味は酒とマンガで至って用地である。
 そんな人がいます。


*第参話 オカマ系青年A

 彼はマジメに勉強して大学まで出た。
 成績も非常に良かったらしい。
 しかし、そこでオカマに目覚めてしまった。

 ネカマの将棋指しとしてかなり強い彼。
 インターネットでもゲストクラスだ。
 通販で卑猥なグッズを買っては楽しむ毎日だ。飼っている熱帯魚の名前も「ズル」。

 オカマとして西洋カブレし、イタリア文学、フランス文学にハマッている彼はナルシストです。
 つい、この間もブラックホールについて語っていたら総スカンを喰らいました。
 オカマの聖地ブローニュの森にも行った事がありヘンテコな人生です。

 今はスシにハマッていて、人生が非常に楽しいそうです。
 オカマはしゃべりが命なので、米粒を飛ばしながら寿司を食べているのを見ると、まさに中国の皇帝をほうふつとさせます。
(2009)