中川 修


量化って
  
― 区画整理の換地を事例として ―



量化って


 区画整理の換地を事例として 

量化とは、量が化ける事である。

 第一章では、本文の事例において平たく言えば「お金」と「土地の広さ」との変化がどうあるべきかを「数式」を使って説明する時、その「数式」が『宇宙人にも分かるように』1)使われているかをお話するものです。

 そして、「数式」を作った時、その「数式」を言葉で表現した『和文数訳』2)と『数文和訳』2)がどのような『量化子』2)に生っているかを解き明かす話でもあります。

 また、自然科学と社会科学の「数式」も量化という状況において同じ「数式」となる自然科学の現象の「反比例」することと「正比例」することを巧く表現している事例を紹介しておきます。3

 しかし、『「わかる」ことは「かわる」こと』4)に『新しいパラダイムをつくるということが、学んで理解すること。』が無い限り分かろうとしていただけないかもしれないのが残念です。

 第二章では、第一章の言葉による表現を順序立てて「数式」で表記します。

 第三章では、極々簡単な数値計算を示しておきます。

 第四章では、斯界と自分史を洒落たエッセイ風に書かさせていただきます。

 脚注は、引用図書で巻末にまとめて掲載します。

第一章    量化

量化へのたびだち

「区画整理の換地って知っているかい」

「ゴチャゴチャした街にならないようにその街の人の土地を弄ることでしょう」

「どんなふうに弄られるか知っているかい」

「ゴチャゴチャした街にならないように弄られる土地は、値打ちが上がるからってへつられるんでしょう」

「そのへつりって如何して決めちゃうの」

「へつられる前と後で値打ちが α 倍になるとして計算してるんだよ」

α 倍って、弄られる土地のみんなが α 倍なのにへつり方は違うんでしょう」

α 倍の値打ちの増えでへつりだけ変わるんだよね」

「値打ちの増えとへつりかたは連動してないのね」

「数式でキチット計算できて、数値が出て来て理論的なんだってよ」

「でもその数式って本当に理論的なの」

「値打ちって言うのは土地の値打ちの増進価格でへつりって言うのは土地の面積の減りでしょう」

「そう数式が値打ちの変化と面積の変化をキチット量化しているかってことだよね」

「量化って」

「モノの変化って言うものは原因があって結果があるから量が化ける成り立ちが重要なんだよ、だから価格の変化量と面積の変化量が符号しているかってことだよ」

「符号っていうのは量化の原因が何かってことでしょう」

「そうそう値打ちが α 倍に生ることで量化しているんだね」

「でもそれってチョット不思議ね、値打ちの増える割合は、みんな同じ変化なのに面積の減りだけイロイロになるなんて」

「そこだよね」

「値打ちの変化と面積の変化をキチット説明できる数式を作った人はいないの」

「作った人はいるけどキチット説明した人は知らないよ」

「量化っていうのは数学や他の科学でも難しいものらしいけど、この易しそうで難しい量化ってものを探求して行く事にしょう」


量化って

量化を辞書で引くと項目がない。論理学において量化子なる言葉がある。これは、全称量化子と存在量化子の二つである。この二つの量化子を区画整理の換地の手法に当てはめてみて量化の概念に迫ることにする。

換地の数量化

区画整理の換地は、照応の原則に則る土地の交換分合である。この作業において、照応の要因のそれぞれは、定性的なものと定量的なものに分類でき結局、数量的には、価格と面積の二つの事象として取り扱うことができる。

数量化の時刻性と離散量の写像

この二つの事象のうち面積が継続され、価格は面積変化を形成する従属的事象となっているのである。数量化の時刻性とは、時間的隔たりをもつ区画整理前と後の土地評価価格との比較において面積事象が時間的隔たりをもって離散量として写像されることである。  

離散量とは、全ての要素(換地)が、個々の換地の換地率とその換地の単位価格の増進率との関係を適用した量化式において完全に量化されれば、トビトビに存在することである。言い換えれば、減歩率曲線上に離散的に面積変化率が表せる量として取り扱えることである。

時刻性をもつ従前地の価格とその換地の価格との比較

 時間的隔たりをもつ区画整理前と後の土地の値打ちが同じであれば面積事象から価格事象への変換は、全て等価変換であり量化の概念は発生しない。しかし、区画整理区域内の数量的要素である個々の土地の換地の値打ちの増進する割合はいろいろであり、その要素の土地とその増進する換地の要素のそれぞれの値打ちの和である集合の比較が全体の増進をかたち作るのである。

 したがって、個々の要素の増進(量化)割合と全体の増進割合とは、違ってしかるべきである。

等価変換の時の二つの事象の関係

 まず土地の面積の減少によって、その土地の値打ちの増進による換地の価格がちょうど従前地の価格に見合う等価変換の場合の面積事象と価格事象との関係を調べることにする。

二つの事象が等価変換の場合であると、

   区画整理前の単位価格と従前地の面積の積、すなわち区画整理前の従前地の価格と、

   区画整理後の単位価格と 換地の面積の積、すなわち区画整理後の換地の価格は、

                                等しい。

 このことから、

   区画整理の個々の換地の割り当て地の単位価格とその従前地の単位価格との単位価格比、すなわちこの換地の単位価格の増進率と、

   区画整理の換地と従前地との面積比、すなわちこの換地の換地率は、

                        反比例しているのである。

 言い換えれば、

   個々の換地の単位価格の増進率とこの換地の換地率との積は、

                             1 に等しい。

 このことから

   反比例係数は、

                              1 である。   

等価変換でない場合の量化の導入を反比例係数に作用させる量化

 次に土地の面積の減少によっても換地の価格が従前地の価格より上回る場合をどのようにするかの方法を列挙する。

 反比例係数を全体の増進率で量化することは、個々の要素がいろいろな増進の集合であるのを

 全て全体の増進割合である増進率で量化するので、

                            全称量化である。

 そこで、反比例係数を個々の要素(換地)のそれぞれの事象の変化率に反映させて取り扱う方法にする。

そうすると、

   価格事象の変化率、すなわち個々の要素の単位価格の増進率に比例して反比例係数を量化できるのと

   面積事象の変化率、すなわち個々の要素の減歩率(1換地率)に比例して反比例係数を量化できるのとがあることを

発見できたのである。

 このことは、二つの事象の間に量化定数があり、存在量化できることを見出したのである。

量化された反比例係数による個々の換地の量化価格の増進率

 個々の換地について、換地の量化価格と従前地の価格との増進の割合は、それぞれの方法について次のようになる。

 改めて、個々の換地の量化価格の増進率は、

   全称量化の場合は、全体の増進率と同じであり、

   存在量化の場合は、二とおりになり、

              個々の換地の単位価格の増進率に比例するのと、

個々の換地の減歩率に比例するのとがある。

全称量化と存在量化の相違

 全称量化は、個々の換地の量化価格の増進率が定数なので後述するが等価変換と論理(数学)的には同じものと見なせる。

 存在量化は、価格事象の換地の量化価格の増進率と面積事象の換地率が因果関係にある。

演算子と作用素そして換地の換地率式

 価格事象の変数から面積事象の換地率式を求めるには、作用素の考え方から演算子を導くことができたのである。

 作用素は、等価変換ができる等式を作り面積事象の等価変換できる導入面積量を作用素量とし、これと実際の作用させる面積量との比を適用率すなわち作用素率としたのである。したがって、作用素面積量は、区画整理後か区画整理前かの面積で考える二つの方法になるのである。

 そして、

   区画整理後の面積で考えた場合は、

   面積事象における実質の減歩の面積量と等価変換の作用素面積量との適用率(作用素率)と

   価格事象における全増進価格量からの割戻し率(増進配当率)との和が

                         1 となるのである。

   換地率式

    個々の換地の換地率とこの換地の単位価格の増進率が反比例することを

    この換地の換地価格の増進割合をこの換地の単位価格の増進率で比例させて量化した換地の量化価格増進率式から求めることができる。 

   演算子

    価格事象から面積事象への数量計算するのに導入するものが演算子である。 

   区画整理前の面積で考えた場合は、

   面積事象における実質の供出する面積(減歩)量と等価変換による従前地の増大する付加分の作用素面積量との適用率(作用素率)と

   価格事象の価格増進の量化式の従前の評価による供出価格量の割戻し率との積が

                         1 となるのである。

   換地率式

    個々の換地の換地率とこの換地の単位価格の増進率が反比例することを

    この換地の換地価格の増進割合をこの換地の減歩率で比例させて

    量化した換地の量化価格増進率式から求めることができる。

   演算子

   価格事象から面積事象への数量計算するのに導入するものが演算子である。


作用素率と量化係数

 作用素率は、等価変換から導かれた作用面積量の作用割合によって価格事象の換地の量化価格増進率式の量化の比例係数の根拠をなすものである。そして、価格事象の量化係数と双対するものである。

 したがって、前述したように作用素率と価格事象の量化係数とは、量化できれば、必要十分条件式が存在しこの場合の存在量化は、

   作用素率と

   価格事象の量化係数との

   それぞれの「和」あるいは「積」が「1」となるような二つの量化が、

存在量化として見出されたのである。

量化と等価

 全称量化が、等価式と論理(数学)的には同じものと見なせるとの見解は、個々の換地の量化価格増進率がこの換地の単位価格の増進率に比例するとの量化の換地率式における演算子と同じもので作用素率が 1 の特殊な場合になる。結局のところ、全称量化は、個々の従前地の価格の増進は定数なので減歩に見合う単位価格の増進率の設定になってしまうのである。

 したがって、減歩率を想定した単位価格の増進率になり面積事象と価格事象との独立性は、全称量化では為し得なく価格の恣意性が拭い去れないのである。

 二つの事象を量化するには、この事例の場合、価格事象の価格変化量と面積事象の面積変化量を結合して考察した結果の、存在量化でなければならないことを述べた。

 このような量化問題は、他にも事例があると思われるのでお教え頂ければ幸いである.

自然科学と社会科学の共通性とその雰囲気

予断でではあるが、解くべき問題を数式にて表現させる時、自然科学においてはその数式は絶対無比であるが社会科学においては絶対無比ではない。

 しかし、その問題解決へと醸し出す共通性と説明力には大いに類似していることがしばしばある。

 例えば、この場合、理想気体の体積と圧力、温度に関係するボイル・シャルルの法則に当てはめて考察できよう。3)体積を面積、圧力を単位価格の増進率、温度を区画整理への貢献度(温度差=量化の状態)とすれば、その貢献度に応じて面積と単位価格の増進率が反比例関係にまさしくなっているのである。

 この式は、状態方程式とも呼ばれある状況での量化の状態であり、区画整理の権利者の権利の状況により量化の状態が表現できているのと同じである。

 この事からも、存在量化こそが数式化への在るべき道筋である。

第二章   この事例の場合の量化の数式

この事例の場合の量化の数式

 面積と価格の数量化の記号

区画整理前の単位面積当たりの価格  ai

従前の面積                  Ai

区画整理前の価格              Ai ai

区画整理後の単位面積当たりの価格   ei

換地面積                     Ei

区画整理後の価格               Ei ei

個々の土地の換地の値打ちの増進する割合 (個々の換地価格の増進率) 

 Eiei / Ai ai  

  但し ei .≧ ai

その要素の土地とその増進する換地の要素のそれぞれの値打ちの集合の和である比較が全体の増進をかたち作る

                     Ei ei / Ai ai

個々の要素の増進割合と全体の増進割合は、違ってしかるべきである

              (Ei ei / Ai ai )≠ ( Ei ei / Ai ai )

二つの事象が等価変換の場合  

                     Aiai = Ei ei

個々の換地の単位価格の増進率             yi = ei / ai

個々の換地の換地率                   (1 − di )= Ei / Ai

個々の換地率とこの換地の単位価格の増進率とは反比例 (1−di )yi = 1

反比例係数                                1

二つの事象が等価変換でない場合

                   Ei ei > Ai ai

 反比例係数の量化による個々の換地価格の増進率の量化状態

  個々の換地の単位価格の増進率に比例する反比例係数の量化 

(1−di ) yi = ( 1−κ) yi + κ

  個々の換地の減歩率に比例する反比例係数の量化 

1 −di ) yi = ( 1/γ ) di + 1

   左辺は、面積事象の個々の換地率とその換地の単位価格の増進率とが、右辺の反比例係数を、その換地の単位価格の増進率かあるいはその換地の減歩率かに比例して量化されたその換地価格の増進率に対して、個々の換地のそれぞれについて、面積と単位価格の増進率が反比例しているのである。

  右辺は、価格事象の個々の換地価格の増進率であり、個々の換地の単位価格の増進率により決まるのである。 個々の換地価格の増進率が減歩率に比例する場合もその減歩率の起因は、個々の換地の単位価格の増進率によって決まるのである。

 価格事象において個々の換地の価格に増進がある場合の作用素面積量と量化増進(権利)価格式

     [ Eiei > Ai ai ] を [    =    ] の式へ導くのに

  作用素面積量を導入し等価変換式を作るためには、二つの方法がある。


区画整理後の面積で考えた場合  

 個々の換地において

    等価変換の場合の個々の換地の面積 Eimin Ai ai / ei

実質の減歩の面積量               Ai − Ei

等価変換の作用素面積量          .Ai−Eimin 

適用率(作用素率)        κ ( Ai− Ei ) / ( Ai −Eimin

 全体の換地において

全体の等価変換の場合の総換地面積   Eimin ( Ai ai / ei

全体の減歩の総面積量          Ai−Ei

全体の等価変換の場合の総作用素面積量   尿i Eimin

全体の適用率(作用素率)  κ ( Ai−Ei ) ( Ai−Eimin ) 

 個々の換地価格の増進率が、個々の換地の単位価格の増進率で比例して量化した場合の価格事象の個々の換地の量化増進価格式

    Ei ei = Aiai +

{ ( EieiAiai )( Aiei−Aiai) } (Aiei − Aiai )    

κ で表すと

Ei ei =(1−κ)Ai ei +κAi ai

個々の換地の量化価格の増進率式

 Eiei/Aiai= 1 +

             { ( Eiei−Aiai )/(狽`iei − 狽`iai )}(yi−1)

個々の換地の増進価格量    (Aiei− Aiai)(1κ) = ( Eiei−Aiai )

全体の総増進価格量   (Aiei − Aiai)(1κ) = ( Eiei−Aiai)

増加配当率  

            (1κ) = ( Eiei− Aiai ) ( Aiei − 狽`iai )

適用率(作用素率)と割戻し率(増加配当率)との和

          κ + ( EieiAiai ) ( Aiei − 狽`iai ) = 1

    換地率式は、  ( 1− di ) yi = ( 1 − κ ) yi + κ     から

               (1 − di ) = 1 − κ ( 1 − 1 / yi )

    作用素率    κ ( Ai Ei ) ( Ai Eimin )

( 1 − Ei/Ai ) ( 1 − Eimin Ai )

ここに

( 1 − Ei/Ai ) = d    全体の平均減歩率

Ai/Eimin =y  全体が等価な変換の増進率 (演算子)

κ = d/(1 − 1/y )

     全体が等価な変換の場合の全体の増進率 y を、換地率式の評価事象から面積事象への演算子として導入させるのである。

    『和文数訳』と『数文和訳』

     個々の換地の量化増進価格式において、総増進価格量 (Eiei ―Ai ai) は、面積減少(減歩)なしの増進価格量による分配であるとの『和文数訳』であるが、                                           個々の換地の等価価格変換の減少率より全てが同じ割戻し(還元)率をした面積が区画整理後の評価で量化増進価格量 (Ei−Eimin)ei が生っていると『数文和訳』できたのである。 

区画整理前の面積で考えた場合  

個々の換地において

    等価変換の場合の個々の従前地の想定面積      Aimax = Ei ei/ai

付加面積(作用素面積量)             Aimax − Ai  

    供出する面積                   Ai−Ei

    適用率(作用素率)     γ ( AiEi )(Aimax − Ai ) 

    供出価格量     Ai di ai = ( Ai − Ei ) ai

= ( (Aimax − Ai ) γ ) ai

増進価格量        ( Ai di ai ) ( 1/γ )  

全体において

等価変換の場合の全体の従前地の総想定面積  Aimax ( Eiei /ai )

全体の想定総付加面積                   Aimax Ai  

全体の適用率(作用素率)     γ = (Ai−Ei)(AimaxAi)

全体の総供出価格量         Aidiai= ( Ai− Ei ) ai

={(Aimaxiγ }ai

全体の総増進価格量          ( Aidiai ) ( 1/γ ) 

  個々の換地価格の増進率が、個々の換地の減歩率に比例して量化した場合の価格事象の個々の換地の量化増進価格式

     Eiei = Aiai +( ( 狽diei − Aiai )/ 狽`idiai )(Aidiai)

Aimax で表すと

      Eiei =Aimax ai  

   個々の換地の量化価格増進率式

   Eiei/Aiai = 1 + { ( Eiei−狽`iai ) Aidiai } ( di )

   割戻し率      ( Eiei − Aiai ) Aidiai )

作用素率と割戻し率との積

              ( γ ) ( Eiei − Aiai ) Aidiai ) = 1

換地率式は、     ( 1 − di ) yi = ( 1/γ ) di + 1    から

              ( 1− di ) ( 1+ 1/γ ) ( yi + 1/γ)

適用作用素率    γ ( Ai − Ei ) ( Aimax Ai )

=(1−Ei/Ai )( AimaxAi−1 )

ここに

         (1 − Ei/Ai )= d   全体の平均減歩率

y Aimax / Ei   全体が等価な想定増進率 (演算子)

             Aimax Ai =( ( 狽di ) y ) / Ai

( Ei / Ai ) y = ( 1 − d ) y  より 

        γ = d / {( 1 − d ) y − 1}

全体が等価変換するとした時の従前の想定面積の従前の評価による全体の等価な想定増進率 y を換地率式の評価事象から面積事象への演算子として導入させるのである。

 

個々の換地の量化増進価格式 Ei ei =Aimax ai の誘導説明

Eiei = Aiai +{ ( Eiei− 狽`iai ) Aidiai }(Aidiai)

           ここに   ( Eiei − Aiai )/狽`idiai =1/γ

                 Ai di =(Aimax−Ai) γ   から

        Eiei =Ai ai +(1/γ)((Aimax −Ai)γ ai )  

=Aimax ai  

   『和文数訳』と『数文和訳』 

個々の換地の量化増進価格式において、総増進価格量 (Ei ei ―Ai ai)は、面積減少(減歩)量の区画整理前の評価価格量による分配であるとの『和文数訳』であるが、                                          個々の換地の想定換地価格と等価になる区画整理前の増加面積を想定し、その想定増加面積量が同じ率で提供{供出}されたとした時のその率の逆数でその提供面積が区画整理前の評価で割戻される量化増進価格量  (1/γ)((Aimax −Ai)γ ai ) なのだが それは取りも直さず区画整理前の想定増加面積量の区画整理前の評価 (Aimax ―Ai)ai に生っていると『数文和訳』できたのである。 

量化の必要十分条件

量化できた場合の価格事象の量化係数と面積事象の作用素率との関係式

    個々の換地の価格増進率が、個々の換地の単位価格の増進に比例する場合

     量化係数  { ( Eiei−Aiai )( Aiei−狽`iai ) } = (1−κ)

  

    個々の換地の価格増進率が、個々の換地の減歩率に比例する場合

     量化係数  { ( Eiei − Aiai )Aidiai } =( 1/γ )

  

全称量化の場合 

    個々の換地の量化増進(権利)価格式

        Eiei = α Ai ai 

         Eiei = α Aiai

ここに、α は、個々の換地の価格の増進により集められるべき全体の価格増進率

   個々の換地の価格増進率式

            Eiei/ Aiai = α 

   全体の総換地の価格増進率式

Eiei / Aiai = α  

個々の換地の量化の反比例係数  { ( Ei / Ai ) } { ( ei / ai ) } α より  

      ( 1 − di )yi = α 

全体の総換地の量化の反比例係数

( Eiei / Ei ) ( Aiai / Ai ) = Y  とおくと

Y は、全体の平均の単位価格の増進率である。  これから、

( Eiei / Aiai ) /( Ei / Ai ) = Y  

ここに     ( Eiei / Aiai) α

 ( Ei / Ai) = (1−d )

                α ( 1 − d ) =Y     より

                           (1 − d ) Y = α 

 個々の換地率も全体の平均の換地率においても、個々の単位価格の増進率と全体の平均の単位価格の増進率とが同じ反比例係数 α で量化されていのである。

演算子   

        α =  Eiei / Aiai = ( 1 − d )

            Y  が如何なるものであるかを検証するために 

  Ei  を調べることにする。  

           ( 1 − di ) ( ei / ai ) = α     

           ( 1 − di ) α ( ai/ ei )     より

    Ei = ( 1 − di ) Ai = α ( Aiai /ei )   から

    Ei = α ( Aiai / ei )        であるから

    α Ei / ( Aiai/ ei )      となり

            = ( 1 − d ) Ai / (Aiai / ei )  

            = ( 1 − d ) Ai/ ( Aiai / ei )]  

          Ai / ( Aiai / ei ) は、

個々の換地価格の増進率がこの換地の単位価格の増進率に比例して量化した換地率式の演算子     

         y = Ai / ( ( Aiai ) / ei ) 

で、置き換えることができる。

         結局、

           α ( 1 − d ) Y= ( 1 − d ) y   となり

           Y= y                      である。

全称量化においては、全体の平均の単位価格の増進率 Y は、演算子の y

   にしかならないのである。

    全ての換地の換地価格の増進率を α 倍することだけで個々の換地率がこの換地の単位価格の増進率に反比例していることになっている。

    したがって、 yi = ei / ai   であるから

           ( 1 − di ) ( ei ) / ( ai ) = α

α は、定数なので

    個々の換地の単位価格の増進率yi そのものが換地率を支配していることになる。

    反比例係数 α をai に取り込めば

              ( 1 − di ) { ei / (α ai) } = 1

これから、個々の換地率がこの換地の単位価格の増進率に比例して量化する換地率式の κ = 1 の場合である。

換地率式

            ( 1 − di ) = 1 − κ {1 − (α ai) / ei }

α / yi

因みに、存在量化においては、全体の平均の単位価格増進率Y と演算子の y とは、

量化できても等しくはならない。

             Y である。

全称量化子と存在量化子で区画整理の換地について表現すると

 全称量化

            ∀α[Ei ei / Ai ai ]

存在量化

∃κ [ Ei ei / Ai ai = (1―κ)yi + κ]

∃γ [ Ei ei / Ai ai = ( 1/γ ) di + 1 ]   

ボイル・シャルルの法則

         VP=nRT

    V 体積  P 圧力 T 絶対温度  n 物質量  R 気体定数

第三章  極々簡単な数値計算

この事例の場合の量化の問題例のその結果である量化面積と量化価格を求めることにする。P=Eiei/Aiai として全称量化 ∀αP 存在量化 ∃κP ∃γP をそれぞれ適用すると換地面積と換地の価格(量化価格)は以下の通りである。

 問題例

      区画整理前               区画整理後

要素  従前の面積 単位価格  従前の価格  単位価格  量化面積  量化価格

番号    Ai       ai      Ai ai      ei        Ei      Ei ei 

@    2 500     1 000      2 500 000   1 060

A    2 000      700      1 400 000    950    

B    4 500      560      2 520 000     900        

 Ai  9 000        Aiai  6 420 000         Ei  7 000

 Aiai /Ai = 713. 333 333 3 d=(1−狽di /狽`i )= 0. 222 222 222 2


全称量化の場合    ∀α[Eiei / Ai ai ]

 演算子 y の計算   y=  Ei / ( Aiai / ei )=1. 357 020 933

 換地率の演算子 α の計算 α= (1−d)y = 1. 055 460 725

量化面積           Ei = ( α ai / ei )Ai で計算すると

      区画整理後

要素 単位価格     量化面積   量化価格      量化状態

番号   ei      Ei    Ei ei    Ei ei /Ai ai=α

 @ 1 060 2 489. 294 163 2 638 651. 813   1. 055 460 725 

A  950    1 555. 415 806 1 477 645. 015   1. 055 460 725 

B   900 2 955. 290 031 2 659 761. 028 1. 055 460 725         

Ei Ei ei   (狽diei )/(Aiai)

=(1−d)Y

7 000. 000 000 6 776 057. 856 1. 055 460 725 

全体の平均の単位価格の増進率  Y=( Ei ei/狽di )/(狽`iai/Ai)

1. 357 020 933

Y=y  である。

注;  量化式   Eiei= α Aiai  から α を見出すには、繰り返し計算しなければならないが演算子 y から求めると簡便である。


存在量化の場合  ∃κ [ Ei ei / Ai ai = (1―κ)yi + κ]

演算子 y の計算 y=  Ai/ ( Aiai/ei)=1. 357 020 933

換地率の演算子 κ の計算  κ d ( 1−1/y )=   0. 844 656 937

量化面積          Ei=(1−κ(1−ai/ei)Ai  で計算すると

     区画整理後

要素 単位価格    量化面積   量化価格   量化状態

番号   ei       Ei    Ei ei    Ei ei /Ai ai=

(1−κ)(ei/ai)κ 

 @ 1 060 2 380. 473 075 2 523 301. 459 1. 009 320 584

A 950   1 555. 443 717 1 477 671. 532 1. 055 479 665

 B 900  3 064 .083 208 2 757 674. 887 1. 094 315 431

Ei Ei ei  (狽diei )/(狽`iai)= 

(1−d)Y

7 000. 000 000 6 758 647. 878 1. 052 748 891

全体の平均の単位価格の増進率  Y=( i ii )/(尿iaii

1. 353 534 288

y  である。

注; 量化式 Eiei = Aiai

+((狽diei―狽`iai)/(Aiei−Aiai)) ( Aiei−Aiai)

から (狽diei―狽`iai)/(Aiei−Aiai) を見出すには、繰り返し計算しなければならないが演算子 y から求めると簡便である。

    (狽diei―狽`iai)/(Aiei−Aiai)=(1−κ)= 0. 155 343 063


存在量化の場合    ∃γ [ i i / Ai i ( 1γ ) di+ 1 ]

演算子 y の計算   y={( Eiei/ai)} Ei= 1. 364 695 262

換地率の演算子 γ の計算 γ=d/((1−d)y−1) = 3. 617 507 667 3

量化面積     Ei=(1+1/γ)/(ei/ai+1/γ) で計算すると

     区画整理後

要素 単位価格    量化面積   量化価格    量化状態

番号   ei       Ei    Ei i     Ei i /Ai i

( 1γ ) di+1

 @ 1 060 2 387. 760 963 2 531 026. 62 1. 012 410 648

A  950   1 562 .747 252 1 484 609. 889 1. 060 435 635

 B  900 3 049. 491 785 2 744 542. 606 1. 089 104 209

i i i   (ii )(ii= 

1−d)Y

7 000. 000 000 6 760 179. 116 1. 052 987 401

全体の平均の単位価格の増進率  Y=( Ei ei/狽di )/(狽`iai/狽`i)

1.353840945

y  である。

注; 量化式 Eiei = Aiai

+((狽diei−Aiai ) Aidiai )(Aidiai)

から ((狽diei−狽`iai ) Aidiai) を見出すには、Aidia (Aidiai) が不明なので量化式から求めにくい。 演算子 y も換地率の演算子 γ も繰り返しの摂動計算をして決定しなければならないのである。

 最終的には、((狽diei−狽`iai ) Aidiai は、1γ として

((狽diei−狽`iai ) Aidiai = 1/γ

      = 0. 276 433 415 となる。

     作用素量が Ei i =Aimax i  の想定面積 Aimax から作られるので、これをいかほどになるかを繰り返し計算しなければならないのである。 

  あらためて量化とは、辞書に項目が無いと最初に記したが『岩波数学辞典』に

「論理式Aから xA または、xA をつくる操作を量化という。」      

                                         と記述されている。

   

第四章  斯界の流れとその数式の論理と自分史

斯界と私

 数学に門外漢である私に、興味を抱かせたのは「値打ちの上がり具合」と「面積の減り具合」が如何に説明されているかということであった。

 そこでは、権利価格式なるものが面積算定の根拠になっているのであった。

 これは、第一章で説明してきた量化式であり、あくまでも価格事象の従前地の価格変化を量化した式であり、これが面積事象の面積変化をどのように説明できているかに興味があったからだった。

そこで、まず価格事象と面積事象が等価に変換できた場合をベース(基準)に価格事象の増加量(量化量)と面積事象の減少量を分析したのであった。

 そうすると、量化式が面積事象の等価格のベースからの乖離度合いが量化量と符号していることを発見したのであった。

 その頃、演算子や作用素などの言葉も知らず、量化式から面積事象の換地率を求める式の誘導に「割込宅地利用増進率」5)なるものに帰着したのだった。

 この割込宅地利用増進率なるものが演算子であり数学的等価式から導入した作用素とリンクしたのだった。

 つまり、価格事象の量化式と面積事象の等価式とから数学の表現でいえば、価格事象の量化式が存在する関数空間から面積事象の換地率式が存在する関数空間へ線形変換でき離散的に写像できてることを発見し量化係数と作用素率とに必要十分条件が存在できる存在量化で説明でき「美しい結果」3)に改めて感銘をうけたのである。

ところが、斯界で規格化されたのは、全称量化の量化式で説明するようにしたのだった。

 存在量化の量化式も提示されていたが、価格事象からの説明のみで量化という概念に至っていなかったのである。

 また、換地率式の正確な呈示もなく量化された結果としての宅地利用増進率と演算子としての「割込宅地利用増進率」が分化されずにいたからである。

 このことは、全称量化において、宅地利用増進率と割込宅地利用増進率は、完全に量化できれば同じになるとの証明を試みていなかったからだった。数式の演繹からでないとこのことは、理解できないのであったのだ。価格事象の量化式からの数値計算からの試行錯誤的割り込みでは判明しえないのであった。 

 他方、価格事象の量化式と面積事象の換地率式は、完全に写像されない場合どちらかの関数空間を基準として清算なる行為が発生するのである。

価格事象の量化式を基準にすれば、権利価格と呼ばれ実際の交付価格との差が清算となるのである。  

 面積事象の換地率式を基準にすれば、権利地積と呼ばれ実際の交付地積との差が清算となるのである。しかし、面積事象の関数空間に換地率式を明確に存在させ得なかったので斯界では評価式においては取り上げられなかった。

 私には、前者を権利価格清算方式、後者を権利地積清算方式として詳細に分析した結果がある。

 通常、権利価格の規定が全称量化で記述されているので存在量化の権利価格の言及にはおよび得なかった。

 完全(真)に量化された量化式の量化価格が権利価格であるが、これに到達しえないので量化された状態での量化式の量化係数からのものを権利価格とみなしている。

誰も書けなかった換地設計の基本原理

 もともと換地面積計算は、ブラックボックス的であるがそのインプットとアウトプットは明解に説明されねばならないと思い数学的表現に不適切があるかも知れないが次のような草稿エッセイを掲載させていただきます。 

              「換地の数式とその数理」

§ 中学生の頃、京の町外れで育ち区画整理という土木事業の光景を見て、人づてに土地 のへつり(減歩)により道路等が造られるのだと耳にした。そして、ふとその時その土地のへつりをどのようにして決められるのか、幼心に疑問に思ったものであったがその時はそれで、それっきりであった。

§ 大人になって、京都市職員になり、しかも中年になってから区画整理事業に携わって換地の担当となった時、減歩の根拠に触れる機会を得てその数式に出会ったのが始まりであった。それは、減歩が宅地利用の増進(土地の利益)によるものであるとの説明であったのだが、その内容を記した『換地計画大綱』なる代物に述べられた増加増進量の還元率なるものの導き出しの理解に苦労したものだったのだ。

 記号法を用いて説明すると

  区画整理前のi 画地の地積 ;Ai 区画整理前の i 画地の単位価格 ; ai

区画整理後のi 画地の地積 ;Ei 区画整理後の i 画地の単位価格 ; ei 

として、整理前後の評価価格について、全体と個々のそれぞれの評価について  

 『 [  ei =尿 ai] [ E ei =A ai]とを仮定する。 』

 とするのが思考の出発点であった。

  これは、等価変換時を基本とする考え方であり、無次元表示すれば次のように表すことができたのだった。

      (1−dmax)y=1   (1−dimax)yi=1

ここに、yi =ei /ai で(i画地)騰貴率;評価比;増進率等と呼ばれていた。

max imax は、等価変換したと仮定した時のそれぞれ地区全体とi画地の最大

(臨界)減歩率としたのだった。

 そして、y は、等価変換したと仮定した時の区画整理の割込(臨界)宅地利用増進率であることが今では分かっているがその当時は、実際に割り込んだ時の宅地利用増進率との判別ができていなっかたのであった。

 次の思考は、等価変換時のi画地の最大減歩率を基本(最大)負担率として地区全体の増加増進量を基本負担率に還元するとの発想であった。このことを数式を用いて表すと

i画地の基本負担率          ; di =1−ai /ei 11/yi

地区全体の基本増進量(等価変換増進量); y−1  

 地区全体の増加増進量         ;  (1−d)y−1

   ここに   d<dmax だから   ;  (1−d)y−10

還元率は、(増加増進量)/(基本増進量) であるから

                    ; {(1−d)y−1}/(y−1

 i画地の実際の負担(減歩)率は、(基本負担率)Χ{1(還元率)}であるから

    ; (11/yi )[1(―d)y)/(y1)}

   ={d/(11/y)}(11/yi

これがi画地の減歩率の誘導過程であった。ここで注目すべきことは、思考の出発点が等価と仮定していることから等価変換時の y であることに注意すれば、i画地の減歩率は次のように表現できたのだった。

        di =(d/dmax)(11/yi

 これは、地区全体の最大(臨界}減歩率を区画整理に必要な地区平均減歩率で逓減していることになっているので逓減係数 κ とよばれていた。

      κ=d/dmax =d/(11/y)  

 そしてこの減歩率は、増進が減歩によるとの「理」に適った説明だと思った。

  この式が、型式Uの権利地積式であることが分かったのであった。

  因みに、その当時の先輩は、『換地設計というものは、権利者を痛め付けるなら皆を公平に徹底的に痛め付けなければならない』との言葉がこの思考の出発点かと述懐している。

§ 一方、評価式換地設計(型式T)は、思考の出発点で整理前後の評価価格について、全体と個々のそれぞれの評価について

 『ii αii とEii αii とを比例係数αを入れて等価にする。』        

  とするのが思考の出発点であった。

   無次元表示すれば ii αii 次のように表すことができていた。

        (1−d)Y=α

  そして、α は区画整理の性格の判別係数になっており

  α<1は、減価補償地区  α=1は、差額精算地区  α>1は、増加増進地区

 としていたのだった。

  増加増進地区においては、保留地を設けることができなおかつ、α>1になっている。

 その上に、αi i を権利価格として清算の根拠を与えてしまっていたのだった。

  確かに、α≦1の場合は、理に適っているが α>1 においては、科学的と言えるのだろうか疑問だったのだ。

  特に、α が1 より大きく離れると権利価格として希薄化してしまい ai  ei の真摯な評価で求めた比例係数 αmax とすれば実際のαは、ai  ei  を見直して

  1<ααmax のαを見出して取り扱われていたのであった。したがて、後述するがこの式も仮定式とみなすことができたのだった。

§ というのも、「増進があるから減歩できる」との発想が必ずしも権利者の合意を得られる減歩を与える式とはなっていなかったからであった。

 何故なら、ある権利者から 『 Eii αAiai 』 を見て

 『増進があっても、なくても評価は同んなじやないか、これやったらミソもクソも同んなじやないか』と質問された時 『このαは、区画整理の評価によるもので実際は、評価比によって減歩を頂いているんです、増加増進量のある地区では減歩を頂かないと区画整理できませんからね』と答えていたのだった。

  余談ではあるが、形式Tが比例評価式と呼ばれていたのだが、意味が「ピーン」とこなかったのであった。「比例といえば、あるものとあるものとの変化関係が比例する」との先入観ではうまく飲み込めなかったのであった。この意味は、どの画地も全体も α倍になっているとのことで清算条項と一致していたからだったのだ。

  また、『Aiai』 が資本であるとの株式会社論も「イマイチ」の感じだと思ったのだった。それにもかかわらず、減歩を基本とする増加増進量のある地区でも、この式による権利価格に、多くの換地設計者が何故か呪縛されているように思えてならなかったのであったのだ。

§ そこで、型式U・型式Tの二つの仮定式の前提の命題から、前者が「減歩があるから増進する」後者が「増進するから減歩する」との式の違いを分析によって、「権利価格」と「清算の根拠」について数理的に説明できたと分かった時「数式は、嘘をつかない」と心の中で叫んだのだった。

その過程を振り返ると、その当時、増加増進量のある地区の区画整理の権利価格式の設定について提案されていたのが、総増加増進量 ΔV= ii i i を個々の換地の権利価格式においてその換地の増進を何の要因で合わせて決めるか、その要因の比例係数の探索が換地設計することであった。そして、権利価格の集計とそれを含む比例係数とが合致するよう試行錯誤(評価シュミレーション)によりなされていたのだった。三つの要因による型式を列挙すると

  型式T E ei =A ai +{ΔV/i i }(Ai ai )

  型式U E ei =A ai +V/(i i ii )} (i i −Aii )

型式V E ei =A ai +{ΔV/Ai di ai (Ai di ai )

右辺第二項目 ( ) が要因で { }がその要因の比例係数であるとしていた。

  ここで、比例を「配りきる」との考え方から第二項目の比例係数の分子 ΔV をはずし、その分母と要因をまとめると分配則となりこの権利価格式から権利地積式を導いたのであった。個々の換地全てが権利地積であれば清算は、生じないのである。

§ その時、中学時代の数学の先生の言葉が、『数学とは、思考を押し広める(拡張する)ことだよ』との深淵さが働いたかは定かでないが、

     尿i −i = Ad = i i

 が清算金を生じさせない権利地積であることから、型式T・型式U・型式Vのそれぞれの離散型換地率式を得たのであった。

    型式T    1−di =(1−dy/yi

型式U    1−di 1−(d/(1−1/y))(1−1/yi

    型式V    1−di =(1+1γ)/(yi +1γ

    ここに、型式T・型式Uの y は、  y=A/(Ai i /ei

         型式Vの γ , y は、   γ=d/{(1−d)y−1

                           y=(Ei i /ai )/E

  この結論から、密かに悦に浸ったのだった。その時、幼少時代の家庭の会話で物事の仮定をして話をすると『そんなあり得えへんことは、考えんでええんゃ』と素っ気なかったことの残像が、物事を仮定することからする、この思考の出発点からの発展が奇しくも悦の機会をもたらしてくれたからだった。

  何故なら、権利価格と権利地積において権利価格式と離散型換地率式の係数に関係式が発見され必要十分条件となっていることが分かったからだった。

    型式T    ei /尿 ai =(1−d)y=α

    型式U   ΔV/(i ii i )+d/(11/y)=1

    型式V   (ΔV/尿 d ai )γ=1

§  この事を、思考の出発点の仮定式を再掲して説明すると。

     ei >i ai    ei >ai  において

    型式T  ai   ei       を仮定(加工)して  α を見出す

    型式U  Eimin ei =Ai ai  を仮定して       y を見出す

    型式V  Ei i =Aimax ai を仮定して        y を見出す

                           との考え方だった。 

§ 型式Tは、a ei を適切に換地計算式に適合させ権利者へ合意形成できる減歩率を提示すべく評価シュミレーションとコラボレーションして扱われていたのだったのだ。

 当時の論文では、その種のものが散見できた。

  離散型換地率式の y と権利価格式の Y が同じとなるのが分かったことで、これは何を意味するかといえば、権利価格式が整理前価格のα倍だけで個々の換地率式がその状態での等価変換の減歩になり、評価比 ei /ai そのものが減歩の要因になるということだった。

  このことを踏まえて「評価において、α が 1 より少し大きめで良いとするのが先人の知恵である」としたためると早速、斯界の方に『それなら増加増進量がないのといっしょだよ』といわれ、私の意図することとずれていたのであった。

  そもそも、型式Tの離散型換地率式は、α 倍の増進価格で個々の換地に対しては、最大の減歩率を与える式となっていたのであり、評価が減歩を得る過程(道具)であるものに過ぎないことを認識すべきことに着目したかったからであった。増加増進量が大きくてもそれなりの評価をすることがこの式の宿命であった。ei /ai<α で増換地になることや評価が減歩に敏感に変動することなどだった。 

  しかし、当時の斯界では、『権利価格が場所によって変わるのはおかしい』等が大勢となっていったのとか、型式Tが評価式であり清算金とリンクして説明できるとしてこれのみになってしまっていったようであった。

  折りしも、区画整理士制度の導入にも呼応して早急に標準化したようだったのだ。それに加え、「THE KUKAKUSEIRI」として海外への技術輸出もされようとしている時、この論理体系の基盤は、これでよいのかと思ったのだった。

  しかしながら、広範な評価式には、三つの型式が歴然と存在しそれぞれの型式の清算金を確定する照応定数が、必要十分条件によって思考の出発点の仮定式からの内生パラメタで一意的に定義できるとの事実を横目に『評価式は、型式Tであり清算金とリンクしている』との見解だったのだ。

  そして、もっぱら ai i の評価加工の「理論武装」への取り組みがなされたのだったのだ。

  これは当時、評価に恣意性があるとの裁判事例が散見されたからだった。

§ 型式Uについては、仮定式の Eimin を計算し y を算定しEi が計算できる式になっていた。

§ 型式Vについては、仮定式の Aimax を計算し y を算定しEi が計算できる式になっていた。しかい、Aimax を計算するには、Eiを仮に算定する必要があり繰り返しを含む摂動する計算過程となり複雑であったが最終的に γ を算定し Ei が計算できる式になっていた。

§ この結論は、高校時代に教わった必要十分条件なるものがチンプンカンプンであったのだが実社会の数式で証明で出来た時、古の友の『無限大は、0と同んなじなんやな』の呟きや、『星の王子さま』の『大切なものは、目に見えない』が脳裏をかすめたのは、この言葉に含蓄があったのではないだろうか。

  こうして、権利価格式と権利地積式とが線形変換できる必要十分条件が呈示できたのだったのだが、何せ定性的照応の要素が多い実際の区画整理では、完全に線形変換できたものを見ることができなかったのだった。しかし、コンピュター万能時代にさしかかりつつあった時、インプットからアウトプットへのコンピュターによる手品をするよりも計算式の分析にこそコンピュターは使われるべきではないのだろうかと思ったのだった。 

§ そこで、型式Tと形式Uの特徴を取り入れた計算式を提案すると、早速斯界の方に『そのようなものは、社会通念上受け入れられない』と一蹴され、はからずも『発言力は、シチュエーションに比例する』との社会通念を証明したのだったのだ。

  また、型式Tの権利価格式と権利地積式の必要十分条件が Y=y について『そうは思わない』との事から、個々の換地率式の換地の集計が全体の換地地積になるとの科学的検証に取り組まれていなかったようだったのだ。

  『斯界は、仲良しクラブだから』と漏れ聞こえるにおよび、さもありなんとまたまた走り出した計算式は、外圧がなければ検討されないと認識したのだったのだ。

  いみじくも、区画整理のキーマンの『結果が全てだよ、巧くいけばいいんだよ』の暗黙の力こそが必要としている事業であることを痛切に思い知ったのであった。

§ 何はともあれ、市街地近郊の都市計画街路を造るのに用地買収方式より優れた区画整理方式が盛んに事業化され市街地のド−ナツ化その地の農家の外延化による通勤農業が時代の風景になっていったのだった。

§ ここで、三つの型式の名称に触れておくと斯界では、型式Tは、比例評価式・型式Uは、修正比例式・型式Vは、減歩評価式と呼ばれていた。権利価格式の組み立てから名称を考えると、型式Tは、一律評価式・型式Uは、区画整理後減歩評価式・型式Vは、区画整理前減歩評価式が的を得ているのではないかと思ったのだったのだ。

§ 説明を分かりやすく理解して頂くのに、三つの型式の必要十分条件から照応定数を算数的な文章問題で設問すると次のようになった。

   型式Tは、「Aさんは、区画整理によりある場所へ行くのが決まっています。全体の増進量(比例率α)に合うようにするには、どれだけの土地(面積)をもらえますか」 

(注;すでにαは、加工により決められているので型   

        式U・型式Vとは同じレベルで論じられない。)

   型式Uは、「Aさんは、区画整理によりある場所へ行くのが決まっています。

そこの場所で等価変換する時よりも皆が同じ割戻し(還元)をした場合、

等価変換に比べていくらの率にすればよいでしょうか」

   型式Vは、「Aさんは、区画整理によりある場所へ行くのが決まっています。そこ    の場所で区画整理前の単位価格で換地価格と等価な区画整理前の地積を想定した時、実際の地積より増えた分を皆が同じ割合で供出するとしたら、供出率はいくらにすればよいでしょうか」

  ここで型式Vの権利価格式が素朴で分かりやすく、当時の換地設計担当者がいちばん望んでいた式だったが数理的に難解になっていた事は皮肉なものであった。

   また、式の係数は、その式で扱っている量のものでしか示せないことを改めて認識したのだった。

   そして、換地設計は、図形の移し変え問題として根本原理を解明したのだった。移し変え問題とは、ある枠に値打ち(路線価)を付しその枠の中にある図形に枠の値打ちからの重みを付けた値打ちとへつられた枠に同様のことを施し対応する図形を隙間無く移し変えるのに値打ち比とへつりとを離散型の関数関係でもって表すことだった。

   これを軸にしていたら区画整理技術は、区画整理学に立脚して展開していたかも知れなかったのだが。

§  次のような二つの大前提にたてば、

       「土地評価者と換地設計者を独立的に扱う」

       「土地価格が時系列的に変化しても評価比は、保存される」

  これを出発点に、三つの形式において Y を最大化する計算式が使用されると確信している。

§  照応定数は、権利価格と権利地積を結ぶ虹の架け橋である。この虹は、人工の虹か天然の虹(論理の力)かはたまたどんな虹なのか・・・

   広範な評価式換地計算式をテーマに知の文化である数学を数学と社会・数学と科学・数学と人生・数学と日常生活などを背景に時系列的に漠然と書き綴らせていただきました。どこに興味を持たれたかお教え頂ければ幸いです。

§  古の上司が組織改変の折に挨拶として『皆さん大いにマスターべーションしてください』との檄なる意識が惹起し、このエッセイへと挑戦させ。

   意識ついでにフリッツ=アルバート・ポップが『意識とはコヒーレントな光である』を意識してこのエッセイの序に「E=mc2 は、般若心経と同んなじやな」と呻くとそれはあなたの妄想よと笑われようとも、私のマントラとして唱え続けていく。

§  数学を道具として使用するとき道具そのものを改善しないで、使い方で結果を出すのと道具そのものを新しくして結果を出すのとでは、結果(事業)の達成と言う事では同じであるが。

   しかし、式を道具として扱うなら『定義・計算・解釈』1)がキッチリできているかの『ツッコミ』1)と、式の神様が見ていらっしゃるとの発心が、この離散型減歩率式の発見を成仏させたいことから、このことを記した換地の真髄の草稿を日の目に見せてあげたいと思ったのでございます。

   この機会を与えてくださった第三回数学エッセイコンテスト・2009実行委員会の皆様そして関係各位の皆様に感謝感激雨霰でございます。

 引用図書は、青少年向けのものであり。決して難しいことを言おうとする気持ちはさらさらない。

 『数式』が示された時、現象をキッチリ表現しているかに敢えてこだわりを持つことこそが『論理』への出発点であることを世に問うておかねばならないと・・・・


脚注

1)新井紀子 「生き抜くための数学入門」理論社 2007年2月

2)新井紀子 「数学は言葉」東京図書株式会社 2009年9月

3}佐治晴夫 「14歳のための物理学」春秋社 2011年1月

4)佐治晴夫 養老猛司 「『わかる』ことは『かわる』こと」河出文庫2004年12月

5)中川 修 「土地区画整理事業における換地の土木計画学的考察」 第7回土木計画学研究発表会講演集 1985年

5)中川 修 「土地区画整理事業における換地システムに関する研究」 1986年7月 土木学会論文集 第371号 W5 

5)中川 修 「土地区画整理事業の本質と土地評価のvehicle化について」 土木学会関西支部年次学術講演会概要集 1997年   

2011



学際的に学際を剥ぐ―「実務と学問のはざま」を問う―

 このエッセイは、区画整理の評価式換地設計の『実務と学問の間にあるもの』を広範な評価式換地計算法の「規範モデル」を詳細に分析した結果から学際的に考察し、このモデルの適用性と「区画整理の合意形成」の論拠を学際的な視点から学際を剥ぎ、換地学の根拠を導こうとするものである。

 学際的と言うからには、まずその対象の論点を明かす手法として各々の分野の論及用語を列挙し、その用語の内容を本件の問題に適用するにあたり優先順位順に記載すると共に、学際の各々の領域を通してその優先順位から体系的に集約し「実務と学問のはざま」を切り拓いて行こうするものである。

哲学では、
質料
形相

倫理学では、
行為功利主義
規則功利主義

法学では、
自然法
実定法
覊束行為
裁量行為

論理学では、
存在量化
全称量化

言語学では、
言語リテラシー(オブジェクト制約言語)

経済学では、
財の変化量
財の収入量

経営学では、
財の最大化量

数学では、
量化数量
等価数量

 これらの用語を使って「合理的で正しい人間行動は、どうあるべきか」を示唆するために用いる「規範モデル」を探って行こうとすることが、本件の目的であり問題でもある。

 先ず、各分野ごとに簡潔に論及していく過程で本件において何故、優位性が選択できるかを呈示する。

 哲学
 本件において、「土地」は、『質料』であり、土地区画整理事業なる人間の活動行為によって、「宅地」なる『形相』を与えられるとすると『質料』が優先される。

 倫理学
 本件において、「減歩の負担」は、『行為功利主義』に基づく最大多数の最大幸福であり、土地区画整理事業なる人間の活動行為によって運営する『規則功利主義』は手段であるとすると『行為功利主義』が、優先される。

 法学
 本件において、「減歩の負担」は、『自然法』によって最大多数の最大幸福を 希求することで、土地区画整理事業なる人間の活動行為をするために作られる『実定法』は、『自然法』を尊重(優先)しなければならない。

 論理学
 本件において、「減歩の負担」は、『自然法』に基づく『存在量化』で『行為功利主義』を適用し、『実定法』による『規則功利主義』となる『全称量化』と比較すると『存在量化』が、尊重(優先)されなければならない。

 言語学
 本件において、『質料』の変化量と『形相』の変化量を捉えることであれば、『質料』の変化量を具備させ、なおかつ、『形相』の変化量(変化量一定は除外)も具備していないのに用語として「比例」を使うべきでない。何故なら、『全称量化』の「規範モデル」は、『存在量化』のひとつの「規範モデル」の特異な形態であることが実証されているからである。したがって、『全称量化』の「規範モデル」の名称に「比例」を冠するのは『オブジェクト制約言語』的には、適切でない。また、『実定法』から付随する「規範モデル」の予定からの『規則功利主義』から生まれる「権利価格」は、『全称量化』の「規範モデル」の「量化価格」である。ということは、『存在量化』の「規範モデル」の「量化価格」も「権利価格」として存在できるのである。それ故に、「規範モデル」の適用されたものからの「量化価格」を「権利価格」として規定されなければならないのである。

 経済学
 本件において、土地区画整理事業をする結果としての換地の『財の変化量』が「合理的で正しい人間行動」の「規範モデル」によって換地の交付の手続きになっているかを、考究することで「換地学」へ導こうとするものである。それとは別に、土地区画整理事業をする事業資金計画としての『財の収入量』との関連を端的に述べる。大まかに、『財の収入量』は、「行政からの資金」と「保留地の売却資金」とである。そして、この「保留地」の設定がどうあるかで、換地の『財の変化量』がきまるのである。ここで、「保留地」の設定要件は、『形相』の変化量が「等価価格」になるまで「法」は、予め予定しているが、「区画整理の合意形成」との調整の関係から「事業資金計画」上からの土地評価から見て『形相』の変化量が、増加量となる場合においては、『形相』である「宅地価格」(換地価格)は「規範モデル」の「量化価格」が、「権利価格」となるのである。したがって、「合理的で正しい人間行動は、どうあるべきかを示唆している規範モデル」の「量化価格」を「権利価格」として規定されなければならないのである。また、「規範モデル」の適用を受ける区画整理事業地区内の地権者への「減歩」に対する『形相』の変化の説明において『全称量化』の「規範モデル」は、根拠に乏しいのである。

『存在量化』の「規範モデル」は、
 土地区画整理事業なる人間の活動行為前の『質料』の『形相』の提供量にその地区で見出される量化係数により、人間の活動行為後の『形相』の増加量が与えられるのと人間の活動行為前の『質料』の総量が、人間の活動行為後の『形相』の全ての変化量となるとして、そのうちの提供量の提供率が、その地区で見出される作用素率により決まり、その残量が、『形相』の増加量として与えられるのとになるのである。

 経営学
 本件において、土地区画整理事業される結果としての全ての換地の『財の変化量』の総和である「財の総増加量」が最大化する「財の最大化数量」を与える「規範モデル」を最優先する。

 数学
「権利価格」は、数式的には「量化価格」であり、外部係数で量化される『全称量化』よりも内部係数で量化される『存在量化』が優先されなければならない。
 何故なら、『形相』の『全称量化』の数式は、『質料』の数式の「対偶」の論理が成り立たないからである。詳しく述べれば、「『形相』の増加量があるならば、『質料』の減少量がある。」の対偶の「『質料』の減少量がないならば、『形相』の増加量がない。」の論理が偽りとなる場合があることである。しかも『質料』の数式の演算子は、『存在量化』のひとつの特異な形態でもあるからである。

 結論
 本件において、「財の最大化数量」を与える『存在量化』の「規範モデル」を適用するのが「合理的で正しい人間行動」である。

 雑感
 区画整理の換地設計方法が成熟期を向かえ評価式換地設計として統一されようとしていた時、その評価式を学際的に検討されねばならないと叫ばれていた。しかし、評価式としてすでに慣例化されていたものが主流となっていった。

 ここで、あらためて『質料』と『形相』の橋渡しとして広範な評価式換地計算法の「規範モデル」を学際的に分析し集約した結果からの呟きである。

「事業資金計画」上からと「換地設計」上からの土地評価は、本来同じ評価基準であるべきだが、『全称量化』の「規範モデル」は、「区画整理の合意形成」の観点から「事業資金計画」上からと「換地設計」上からの土地評価を同じ評価基準ですることは、「等価価格」と「量化価格」の乖離が増大すると困難になることである。 

 このことは、「合理的で正しい人間行動」が「事業資金計画」上からの真摯な土地評価と「換地設計」上からの真摯な土地評価との使い分けによる二枚舌的な運用をしなければ、「区画整理の合意形成」が『全称量化』の「規範モデル」からは得られないことである。

 しかし、平均減歩率の設定により、『行為功利主義』に基づく『形相』の変化量と『質料』の変化量を具備した「規範モデル」であれば、平均減歩率からの「合意形成」が得られる『形相』の変化量に対応した『質料』の変化量をあたえる減歩率の分布を『自然法』として決定できるのである。

 また、「区画整理による財の総価格高は、評価できる」が財の総増加量は、個々の『形相』の変化量に対応した『質料』の変化量からの『形相』の変化量となるため「規範モデル」に依存しているのである。

 したがって、「区画整理による財の総増加量が既知に評価できているとして、個々の換地への受益配分であるとしての「規範モデル」の考察は、早計である。
 このことはむしろ、離散型減歩率曲線の平均減歩率を中心として『形相』の変化量に相応しい減歩率の均衡ある分布を呈示できるとするのが『存在量化』の「規範モデル」である。

 これを如実に解明できたのは、『形相』の変化量(量化価格)式と『質料』の変化量(換地率)式を橋渡しする『演算子』と『作用素量率』で呈示できたからである。そして、存在量化による規範モデルの量化価格式の『量化係数』と換地率式の『作用素量率』には、完全に量化できれば、この二つの係数の「積」あるいは「和」が「1」に生ることが実証されている。

 察するに、『全称量化』の「規範モデル」においては、「換地設計」上からの真摯な土地評価により『存在量化』の「規範モデル」の離散型減歩率曲線へ誘導していることに他ならないのである。

 例えれば、ドラッカーの言葉(integrity)による『あなたが正しいと信じていることに関する正直さと強さの質』に基づく「真摯な土地評価」と「全称量化による規範モデル」との二人の役者による権利者への合意形成の舞台は、まさしくこの二人のコラボ劇場であり、まるで科学の仮面を被ったパロディにさえ思われて滑稽さを禁じえないのである。

 この誘導過程は、任意性を含み土地評価の恣意性がまぬがれ得ないのである。

『質料』の変化量を『形相』の変化量で捉える方法は、区画整理の換地手法のなかで行はれているがそれに対応する量化価格(権利価格)を定義されていない現状を憂うるものである。

 換地設計において、現状の評価式以外を採用しているほとんどの場合、『全称量化』の「規範モデル」からの『規則功利主義』になる「量化価格」を「権利価格」として混同しているのである。採用した『質料』の変化量を定める換地の「規範モデル」からの「量化価格」を「権利価格」として、区画整理の施行規程に盛りこまれなければならない。

 区画整理事業も爛熟期を迎えて遅きに失する感であるが、「換地学」の端緒を開き『実務と学問の間にあるもの』の答えとしたい。

 参考文献

「中川修著"土地区画整理事業における換地システムに関する研究"への討議および回答」土木学会論文集,371/19867月掲載

「量化って」文芸思潮エッセイの広場 NET 2011

 参照文献

「簗瀬範彦著"土地区画整理事業の受益配分の構造に関する研究"への討議・回答」土木学会論文集401,19891月掲載.

「特集 区画整理の技術のあゆみ 換地設計技術の進歩」街づくり区画整理協会雑誌区画整理200411月号

「論壇 土地区画整理の学問と実務の間にあるもの」土地区画整理士会報2011.11No.147

2012




我が辞書に辿る


量化のもつ意味  

 一連の累積した用語を辿り「感性」と「理性」の発露を気ままに綴ります。
 まず、量化のもつ意味です。

@ 現象の持つ属性で、定性的に区別でき、かつ、「順序尺度」を決定すること。ことことにより、数値化することを量化という。

数量化ともいう。そして、量化したこにより「間隔尺度」や「比例尺度」も扱える。

A 論理学に於いて、ある論理式が適用される議論領域の個体の量を表現することを量化という。

B 「順序尺度」のある互いに独立した二つの現象をある論理式によって数量を量化することを量化という。

 区画整理に馴れ親しんだ頃、地図に定性的属性ごとに塗り分ける作業をよくしたものである。この塗り分けた土地にこの物語の主題となる量化しなければならない宅地なる属性を持つ土地のお話である。

 ここで、事象現象とは「土地評価」と「面積(地積)」のことである。

「土地評価」は、量化の @ の手続きで数値化できる。

「面積(地積)」は、物理単位で数値化できる。

 この二つの事象の量化は、量化の B の手続きである。   

 この二つの事象の量化は、トレードオフの二律背反の関係にある。  

 本題にうつり、換地というのは、地図の描き換え作業である。この描き換え作業で土地の移し変えに、「土地評価」なる事象を介して「面積(地積)」なる事象にインタフェーイスする技術を評価式換地設計と呼ぶ。

 そして、「移し変え前」と「移し変え後」の「土地評価」の「比例尺度」の考え方に直感的「感性」から「理性」的に   

 『何だこれは!』

と思わずにはいられなかったのだ。    

 というのは、経済的価値の「比例尺度」が   

『何度も、何度も、・・・』     

言うが一律倍であることの不思議さである。この不思議さを皆が胸にしまって論理を構築していることだ。     

 この業界では、逆に社会通念という慣例に、   

『言っちゃ悪い』    

がこの不思議さが押し潰されているのだ。     

『まことに、まことに、・・・摩訶不思議!』  

であるのだ。   

 そこで、胸にしまった不思議さを超えるべくインタフェースする技術の量化は、@  と B をコラボレーションして量化する「評価シュミレーション」なるもので構築されているのだ。     

 

 これが業界の主流で、どっぷり浸かった達人には、    

『何の、何の、・・・摩訶不思議!』          

さも感じないのだろう。     

というのもインタフェーイスする本質よりもインタフェーイスした結果の進行のみに偏重しているからだ。

 

 素直な感性の持ち主なら、「土地評価」は、宅地の単位面積当たりの「順序尺度」値と物理的な「面積」の数量との積で表現したものが、宅地の値打ち(経済的価値)となると思うのだが・・・。
 

 『ところがところが、・・・』

 目に飛び込んできた適用されている数式(全称量化式)は、区画整理の換地の時間軸で宅地の値打ちの「移し変え前」と「移し変え後」の経済的価値の変化の「比例尺度」率が、全ての宅地において一律倍であることだった。   

 しかも、経済的価値の変化の「比例尺度」率が一定で、物理的量の「面積」だけが減少変化することが、

『まことに、まことに、・・・摩訶不思議!』  

であると私の直感的「感性」から     

『何だ、何だ、・・・これは何だ!』       

と私に煩悩を与えてしまったのだ。      

 

そうこうしている頃、経済学者で数学エッセイストの小島寛之先生の書評による     

『本書は、一生もののエロ本なのだ。』    

という新井紀子先生の   

『数学は言葉』    

に出会いインタフェーイスしている本質を解明でき、佐治晴夫先生や養老孟司先生の神託である

『自分が変わらないのであれば何の意味もない』

との信念から起因する、この煩悩からの解放により、このことに関して涅槃したのだ。       

 その涅槃への「理性」的な解放過程は、量化の A の論理を規範モデル式に類推させることによって解決したのだ。

  

それは、達人たちの規範モデル式が、           

『全称量化式である。』        

の一言に尽きたのだ。        

 

この全称量化式による「土地評価」なる事象から「面積」なる事象にインタフェーイスする技術を数学(論理)的な検証に基づいての結果は次のとおりだ。

 

 宅地の経済的価値の変化の「間隔尺度」量を量化前に既知量としていること。        

したがって、「比例尺度」率も既知値となること。            

 ことわっておくが、街区評価によりある程度の「間隔尺度」量を量化前に既知量として把握することは、十分できるが確定量とすることができないということだ。 

 このことにより、宅地の「移し変え前」と「移し変え後」の経済的価値が等価であるときよりも大きく乖離すると「面積」事象なるものにインターフェイスする技術に          

『煩悩が、煩悩が、煩悩が、・・・』

生じることがあるのだ。 

個々の換地(宅地)の経済的価値がその換地(宅地)と「移し変え前」の宅地との単位面積当たりの「比例尺度」率に連動して上昇変化し、物理的量の「面積」もそれに連動して減少変化する規範モデル式も提案されていたが、考察において、「土地評価」なる事象からのみのインタフェーイスする技術で説明されていたからその本質の言及には及び得なかったのだ。

それは、個々の宅地の「移し変え前」と「移し変え後」の経済的価値を比例係数で繋ぎ合わせることでインタフェーイスする技術を説明されていて「土地評価」なる事象からの「順序尺度」値か「間隔尺度」量の組み合わせでしかこの比例係数を示し得なっかたことだ。         

そこで、私は、この「移し変え前」と「移し変え後」の等価記号(=)で結ばれた数式を「土地評価」なる事象からの「間隔尺度」量の「間隔尺度」量による配分として解析した結果、インタフェーイスする技術において等価記号(=)で結ばれた意味が物理的量の「面積」なる事象の「適用(作用)面積量」と「等価面積量への差量」との率である無次元量によるものから、この等価記号(=)式から導かれるある係数(作用素適用量率)で、演算子を説明できたことは、

『おおげさだけど』

金子みすゞさんの

『 ・・・・・ それに私は 気がついた。 それも私の せいじゃない。』

の気づきだったのだ。

そして、「間隔尺度」量の「順序尺度」率か「間隔尺度」量による配分は、 A の論理による全称量化子(∀)か 存在量化子(∃)で結合された論理式で、まさしく『議論領域の個体の量を表現する』ことであり B の数量量化の操作をすることでインタフェーイスしている本質を解明できたのだ。 

このことにより、全称量化式では、「間隔尺度」量の「順序尺度」値(量)による配分の概念は成り立つが、存在量化式では、「間隔尺度」量も「土地評価」なる事象の経済的価値の比例係数も存在量化式そのものが生み出すとの結論となったのだ。

したがって、存在量化子で結合する「土地評価」なる事象の「移し変え前」と「移し変え後」のこの経済的価値の量化式とそれに双対する物理的量の「面積」なる事象での等価式をも構築できたのだ。

「エロ本」に戻ると、存在量化子で結合する量化式において区画整理事業による個々の宅地の経済的価値の「間隔尺度」量の増分をそのまま「間隔尺度」量の率で配分しているとして私が、構築していた『和文数訳』は、区画整理事業への「間隔尺度」量の提供量分を控除して個々の宅地の「間隔尺度」量の増分を示す式として『数文和訳』できたのだ。

「間隔尺度」量も経済的価値の増加を示す比例係数も量化操作をして、量化式そのものが呈示してくれたのだ。    

ということは、全体の宅地の「間隔尺度」量は、全称量化式のように既知量として扱えず量化式そのものの存在量化特性に依存しているのだった。    

これを踏まえて『換地構造』なる個々の宅地の「移し変え前」と「移し変え後」の「土地評価」の単位面積あたりの「比例尺度」率に対応する「移し変え前」の全体の宅地の「面積」量に対する個々の宅地の「面積」量の割合の分布状況が重要な要因となるのだった。         

そして「移し変え後」の「土地評価」の数式(量化式)が、この「土地評価」の単位「比例尺度」により比例して、「移し変え前」の「土地評価」の「順序尺度」値(量)を増加させていることと分かったのだ。

だから、全体の宅地の経済的な増分の「間隔尺度」量は、『換地構造』から計算する演算子からのインタフェースされた物理的量の個々の「面積」量から改めて「移し変え後」の「土地評価」の「順序尺度」値を計算し、その「移し変え前」の「土地評価」の「順序尺度」値との差を、個々に総和して決まることも分かったのだ。    

そして、この演算子は、全称量化式の場合の演算子としても使え、全称量化式が、インタフェーイスされる個々の宅地の「土地評価」の単位「比例尺度」率により比例するとする存在量化式の特異な状態であることも検証できたのだった。    

したがって、全称量化式においては、物理的量の「面積」なる事象での等価式を作ることができないのだ。     

このことから、全体の宅地の「移し変え後」と「移し変え前」の「間隔尺度」値(量)から演算子を計算でき、「間隔尺度」値を(量)として既知化せざろを得ないことと「間隔尺度」量ではなく「順序尺度」値としてしか、インタフェースにおいては、機能しない配分が、   

『煩悩の、煩悩の、煩悩の・・・』

発端であったのだ。    

全称量化式の規範モデルの適用が、前述した量化のもつ意味の @ と B をコラボレーションして量化する「評価シュミレーション」なるものが、換地操作(設計)の実態だったのだ。   

本来、 @ と B の量化のもつ意味は明解に区別されて、インタフェーイスする技術では、「土地評価」なる事象と「面積」なる事象とを独立して取り扱うべきだ。     

所詮「土地評価」なる事象からのみのインタフェーイスしている技術の説明に限界が在ったのだ。

他方、もう一つの存在量化子で結合する量化式において、区画整理事業による個々の宅地の経済的価値の「間隔尺度」量の増分をそのまま「移し変え前」の減歩の「土地評価」の「間隔尺度」量の率で配分しているとして私が、構築していた『和文数訳』は、区画整理事業への「移し変え前」のこの減歩の「土地評価」である提供量分の「間隔尺度」量が、量化式の量化操作によってこの提供量分の倍率を量化式そのものが呈示してくれていると『数文和訳』できたのだ。        

このことは、「移し変え後」の「土地評価」の数式(量化式)が、減歩率により比例させるとする比例係数である「土地評価」事象の「間隔尺度」量の率と物理的量の「面積」事象の等価式からの「間隔尺度」量の率とのそれぞれの無次元率の積が 1 と生ることも分ったのだ。           

この量化(比例)係数と作用素適用率が反比例の関係と生っていることは、「土地評価」なる事象と「面積」なる事象のこれらの無次元係数の決定に二事象の繰り返し状態になり摂動計算と生ることも分かったのだ。

インタフェーイスする技術として

 

量化という概念を通して、インタフェーイスする技術として評価式換地設計を鳥瞰した時の「用語」が、インタフェーイスしている直感からの名称を多々使ったのでその同一性や類似性を回顧して述べる。

養老孟司先生が、『言葉』は、

『「同じ」と「違う」といまおっしゃったけれども、感覚世界は差異(difference)をとるんですよ。ところが数学でもおわかりのように、概念化するときには「同じ」になります。つまり、「同じ」と「違う」は、同じなら同じだし、違ったら違うじゃないか、というのが常識だけれども、実は同じであって違う』

と述べられていることに着目したいのだ。

全称量化式について

「土地評価」なる事象の「順序尺度」値と物理的量の「面積」なる事象の「間隔尺度」量の積は、あくまでも「順序尺度」値であるのだ。      

「土地評価」なる事象の比例係数は、「順序尺度」値の率として捉えねばならないのだ。しかし、思考過程では、「順序尺度」値を(量)として無意識に捉えてしまっていることを誰も指摘し得ないことだったのだ。               

   『いや失礼!』     

「指摘し得ない」というよりも「指摘しない」ことが「皆が胸にしまった不思議さ」であるのだろう。     

敢えて、「値」を(量)の表現としたが、「値」と「量」は、インタフェーイスする技術では、「違う」のであるのだ。ここでは、「土地評価」なる事象の量は、「順序尺度」値の集合に減法等を施して始めて「量」の効用が生じるのであるのだ。     

ただし、物理的量の「面積」なる事象の「順序尺度」値は、量であり「間隔尺度」も量であるのだ。   

何故、「土地評価」なる事象の「順序尺度」値が「量」と生りえないかは、経済学の教えるところであるのだ。

注; 前述のもう一つの存在量化の「間隔尺度」量の率の配分では、「順序尺度」値に乗法を施すことで「間隔尺度」量となるのだ。      

全称量化式のインタフェーイスする技術のまとめ

宅地利用増進率は、演算子でもある。       

    二事象の写像の特性式の特性値が、「土地評価事象」の「移し変え前」と「移し変え後」の全体の「順序尺度」値である土地評価価格値の率である「比例尺度」できまる。  

存在量化式について     

全称量化式で定義する宅地利用増進率は、演算子ではない。       

 演算子は、宅地利用増進率から分化され『換地構造』から求める「臨界宅地利用増進率」、「割込宅地利用増進率」である。   

 「臨界宅地利用増進率」は、物理的量の「面積」なる事象で「土地評価」なる事象との結合において等価なる宅地利用増進率であることから捉えた名称だ。   

 「割込宅地利用増進率」は、「土地評価」なる事象から物理的量の「面積」なる事象へのインタフェーイスする演算子として捉えた名称だ。      

存在量化式のインタフェーイスする技術のまとめ

「土地評価」なる事象の「間隔尺度」量や量化式の比例係数は、存在量化式そのものから生成されるのである。    

    演算子は、『換地構造』に支配される。   

   言い換えれて譬えるなら、金子みすゞさんの『気づき』のたおやかさと似てて

  矢崎節夫先生の

   『不平等の平等の』

   の根本精神でもあるのだ。

   

  そしてその事が、インタフェーイスする『量化』において、存在量化によってこそ、科学(自然)的に『量化』を差し示めしてくれているのだ。

 

他の用語の類似性と同一性

「移し変え後」と「移し変え前」の「土地評価」の単位面積あたりの「比例尺度」率は、

                 騰貴率、増進率、評価比 

                                          と同一である。

  「移し変え後」と「移し変え前」の物理的量の「面積」の減少率は、         

                 減歩率         

                                          と同一である。

                          平均減歩率と個々の減歩率がある。

「移し変え後」と「移し変え前」の物理的量の「面積」の変化率は、   

               換地率   

                                        と同一である。

                          (1―減歩率) である。

                          平均換地率と個々の換地率がある。

量化式は、

             「移し変え後」と「移し変え前」の「土地評価」なる事象の「比例尺度」率の関係式であり、この宅地の増進率式である。

注;  増進率には、換地(宅地)の増進率とこの換地(宅地)の単位当たり増進率がある。   

量化式の比例係数は、

                                      量化係数である。    

権利価格は、

              量化(増進率)式に「移し変え前」の「順序尺度」値を掛けることで「土地評価」なる事象の「移し変え後」の「順序尺度」値として表現したものである。   

                    注;   権利価格は、規範モデル式(全称量化式、存在量化式)の選択によるその量化(増進率)式により決まる。      

 

権利地積は、

              権利価格に双対するもので換地地積式から計算したものである。       

 

全称量化式      

 

     比例係数は、定数、一律倍、外生パラメーター(ファクター)である。       

           量化(比例)係数は、場合により量化のもつ意味の @ と B を含めて決めるため人為的な恣意性をもつ。     

   

存在量化式(二型式ある)

 

比例係数は、「移し変え後」の換地(宅地)と「移し変え前」の宅地の単位面積当たりの「土地評価」の「比例尺度」率の係数で内生パラメーターである。  

                                    増加配当率          

     

比例係数は、「移し変え後」の換地(宅地)と「移し変え前」の宅地の物理的量の「面積」の減少(減歩)率の係数で内生パラメーターである。       

                                    増加配当率、割戻し率       

 

      注; 存在量化式の比例係数は、後述する『微分』係数として捉えることができる。                 

   

減歩率式           外生パラメーターか作用素量適用率と平均換地率と演算子そして、その換地の単位当たり面積の増進率からなる計算式である。

 

権利地積式        (1減歩率)と「移し変え前」の物理的な「面積」量との積である。     

 

作用素量適用率(作用素適用率、作用素率、作用素)   

              存在量化式に双対する物理的量の「面積」なる事象で等価式を作ったときの作用素としての「面積」の「間隔尺度」量に対する実際に作用させ適用する「面

              積」との率である。     

   量化式が、単位面積当たりの増進率に比例する場合は、   逓減率、緩和率、提供率      

 量化式が、減歩率に比例する場合は、           供出率

 

   照応定数          比例係数や作用素量適用率を、換地の面積がインタフェーイスする技術で量化できているとして捉えた定数(量化係数、作用素適用率)である。    

 特に、公平さを保持するものとして全体も個々の換地も照応を一定係数で呈示できるのを照応定数と定義する。

 

   縦の照応 横の照応      換地の用語で時間軸において個々の換地の従前地との照応が、縦の照応である。

 他方、換地後の個々の換地の間の照応が、横の照応である。

 全称量化では、外生パラメーターの比例係数でしか示し得ないのである。        

 存在量化では、内生パラメーターの作用素量適用率が、全体も個々の換地も一定係数として示し得るのである。

 

   作用素と演算子       存在量化式において物理的量の「面積」なる事象で構築した係数が作用素であり、それに双対する「土地評価」なる事象から「面積」なる事象へインタフ

                 ェーイスするときが演算子でいずれも内生パラメーターである。

 

Bの量化のもつ意味     「土地評価」なる事象の増進率の中央(演算子)値と「面積」なる事象の中央値である平均換地率の接合が『換地構造』により計算された、等価からの乖離   

              の度合い値の内生パラメーターで量化の結合を示すのが存在量化である。

              全称量化は、外生パラメーターでの結合なので量化係数は、 B の量化という意味では補正係数や調整係数としての意味合いである。    

 いずれにしても接合点で二事象の中央値が対応する。     

 

量化式の不動点       いずれの場合も個々の量化式とそれに双対する個々の換地率式において増進率が演算子の値のとき「面積」なる事象への離散写像で平均換地率を与え、量化

              式では、特性式(乖離値)となる。        

 

量化式の量化できている意義 (特性値が、インタフェーイスの内容を決めている)

 

平均換地率(1−d)と演算子(y)の積は、量化(換地)の特性式であり、特性値(乖離率)をとる。  

 

全称量化式では、外生パラメーターであり、区画整理の性格の判別式でもある。     

 

存在量化式では、物理的量の「移し変え後」か「移し変え前」の「面積」による「間隔尺度」量の率で等価式からの乖離の度合いで内生パラメーターである。      

 

いずれにしても二事象の等価変換からの乖離値(度合い)で決まるのが特性値である。      

 

全称量化の特性値は、「土地評価」なる事象の「順序尺度」値による「比例尺度」率であるので「土地評価」なる事象でしか量化し得ないのである。

 

 量化の記号による表示

  量化のもつ意味の A のある論理式(P)が適用される議論領域(P>1)の個体の量を表現(α、κ、γ)する。

             ここに  P=(Ei i i i)=(1−di)yi  

    ただし   (Ei i ≧Ai i 、ei ≧ai ) 

               なお   P を面積事象への離散写像の式としその変数による『微分』係数を表示しておく  

 

  全称量化式  α[ P=α]  

     量化式     (Ei i i i)=(1−di )i α

特性式       (1−d ) α

特性値(乖離率)    α   =Ei i i i

演算子         y   =(A/Emin

個体の量を表現 α 特性値(乖離率)で一定係数とする。

『微分』係数       0   

          注;  特性値(乖離率)が 1 で量化状態は発生せず等価状態である。

 

存在量化式  κ [ P (κ)i +κ]

量化式          (i i i i) (κ)i +κ

特性式           (1−d)y=(1−d ) i imin

特性値(乖離率) =(E/Emin

演算子          y   =(A/Emin

個体の量を表現     κ =(A―E)/(A−Emin)=d/(1−1/y)  作用素適用率で一定係数である。

    『微分』係数     (κ)     

注;  特性値(乖離率)が 1 で作用素適用率(作用素) 1 となり量化状態から等価状態に遷移する。

存在量化式  ∃γ [ P ( 1/γ ) di +1]

量化式  (i i i i) ( 1/γ ) di +1  

特性式        (1−d)y=(1−d)imaxi )

特性値(乖離率) (max/A)

演算子          y    (max/E)

個体の量を表現 γ =(A―E)/(Amax−A)=d{(1−d)y−1} 作用素適用率で一定係数である。  

    『微分』係数   ( 1/γ )    

注;  特性値(乖離率)が 1 で作用素適用率(作用素率)不能 となり量化状態は発生せず等価状態である。

 

土地評価によるvehicle化    

    「移し変え前」と「移し変え後」の「土地評価」からの「換地構造」により決定された特性値の選択により演算子を決めることを「vehicle化」と呼んだ。

 

インタフェーイスする技術のこの事例での状況

 

多くの自治体で「土地評価」なる事象の「間隔尺度」量等を用いてインタフェーイスする技術に取り組まれていたが、全称量化式に押し流されているのは遺憾である。

そして、構築したインタフェーイスする技術を規範モデルとしての権利価格式を構築しなければならない。

北海道、愛知、京都、福岡、大分、沖縄などにみられる。

 

なお、インタフェーイスする技術として述べた書物は少ないが、道本修著の 『区画整理とっておき誰も書かなかった換地の要諦』がある。

 『区画整理とっておき誰も書かなかった換地の要諦』の隠された真の提言は、インタフェーイスする技術に、区画整理の性格の判別式であり換地の特性式でもある全称量化式での取り扱いに大いな

『感性』的な疑問にそれなりに肉薄したものであった。

 

全称量化式なるものは、

    『区画整理の性格の判別式と換地の特性式が同じで、しかも特性値が外生パラメーター値である。』   

の一言に尽きるのだが・・・。     

 

今後、インタフェーイスする技術としての量化理論は、量化特性式の特性値が何であるかをかみ締めて量化の意義を十分に理解されねばならなのだ。  

 

用語の検索でこの辞書に辿る

 

思いつく言葉の一つや二つの組み合わせで検索してみると辞書に辿る。

 

あ行   新井紀子 量化       いみじくも 区画整理   宇宙人にも分る換地    エッセイ 換地      温度差 量化    

 

か行   換地率式          キーマン 換地量化    区画整理 量化      形相 換地量化      合意形成 量化      

 

さ行   作用素率 量化       恣意性 量化       数量化 換地       清算金 量化       早計 換地量化        

 

た行   宅地 量化         地区 量化        つまり 量化価格     提案 量化定数      等価 換地構造    

 

な行   仲良しクラブ 換地量化   二事象 量化       塗り分け 量化属性    値打ち 量化       脳裏  換地量化   

 

は行   発見 量化         比例 量化        分化 増進率       変換事象 量化      ボイルシャルルの法則 量化    

 

ま行   マントラ 量化換地率式   みんな 還元量化     難しい 量化       面積 量化        門外漢 量化  

 

や行   易しそう 量化                    誘導 事象量化                   要素 換地率式  

 

ら行   爛熟期 換地学       量化 数学辞典      類推 量化式       例 事象量化       論理基盤 換地率式          

 

わ行   割込宅地利用増進率    

 

最後に、一般の辞書に「感性」と「理性」の「梶と帆や艪」を持ち合わせた『舟を編む』方々によって『量化』なる舟を漂わせないで繋留していただき『大渡海』を母港にして頂くように切にお願いするものである。『量化』なる言葉を繋留させることによって、

三浦しをん先生の言葉の

『個人と権力、内的自由と公的支配の狭間という、常に危うい場所に存在するのですね』

   という言質が逆に、『量化のもつ意味』が辞書に取り込まれることにより辞書のもつ潜在的エネルギーが、私の、いや「感性」と「理性」ある通常の人々の心の霞を消してくれそうなのだ

   が・・・

 

 新井紀子先生が、谷川俊太郎さんの『何が一番大切ですか?』という質問に、

   『フェアプレー、社会がフェアであること。楽しく仕事を続けること。』

とおっしゃることや、

『「論理的思考力」はすべての人に共通なわけではありません。「論理」が人類共通だと思うのです。論理が共通なのに、「論理的思考力・表現力」を手にするまで数千年がかかっているのがなぞだぁ、』

とのたまわれることは、この事例に映してみても意味深長なのだが・・・  

佐治晴夫先生が金子みすゞの『大漁』の詩で

『魚が獲れたという事象を、浜から見た場合と、海の中から見た場合とまる反対の意味としてとらえているわけじゃないですか。それをひっくり返して考えるときに、初めて統合して、本当の正しい判断ができる。それを一方からだけしか見ていない。多角的に見るのが科学的な見方だと僕は思っているんですよ。科学っぽく言えば、微分で認識して積分で理解するということですかね。』

とおっしゃてることは、まさしく、

   『数学はある意味ではポエムなんです。』

との情景を、評価事象から面積事象への離散写像において評価事象の量化式の増進『微分』係数の『認識』が、面積事象の減歩の『積分』で『理解』できているのを如実に暗示しているのだが・・・

養老孟司先生の数学観の

『彼(藤原正彦さん)は最近、「国語が重要だ!」(笑)って言っているんです。要するに、数学で一番大事なことは何かといったら、美的な感覚ですよ。』

との言葉は、『量化』の国語としてもつ意味と数学としてもつ意味が、いままで散々言ってきた全称量化式よりも存在量化式こそが、佐治晴夫先生の

   『いかに美しいか、いかに無駄がないか、いかに単純か、という三つが数学のほめ言葉なんです。』

との感性的感覚にピッタリな数式として、「感性」と「理性」ある通常の人々に理解していただけると思うのだが・・・   

  

  もう一つ、

 佐治晴夫先生の

   『理屈に合うということと、美しいということは等価かもしれませんね。』

とのたまわれていることに共感するのだが・・・

 

 また、繋留された舟の『参考』と『参照』の相違を編み方の違いで呈示することもできた。

 

『 汚れつちまつた 悲しみに   なすところもなく 日は暮れる・・・ 』

             by nakahara cyuya

   『 虚空の虚心であれ !』

 

注;  佐治晴夫先生が『虚空』と『空虚』の言葉の意味の違いを

『「空虚」っていうのは何もないがらんどうです。「虚空」はすべてがギッシリ詰まっているあるかないかわからない。』

(2013)